鮎の友釣り名人




急逝した父は鮎友釣りの名人だった。
友釣りが唯一の趣味で、毎年解禁を心待ちしていた。
鮎の解禁は6月1日。今年ももう直ぐだ・・・・・
生前は何かとぶつかる事が多く・・・・・
たんこぶの様に思っていた父だったが。。。

父が毎年出かけて行った川、
思い出すだけでもざっと、
狩野川、天竜川、富士川、安部川、藁科川、河津川、気田川、
興津川、白川・・・・・と名前が浮かぶ。
そして、家の大型冷凍庫には、年中、
鮎がぎっしりあって、年中好きな時に、天然鮎が食べられたし、
それが当たり前。程よい大きさの鮎は繊細な味わい。
西瓜の匂いがしたな~。鮎塩焼きは私も大好きだった。
小さい頃、父が良く言っていた事
『鮎は石に付いている苔しか食べないから、綺麗なんだよ』
『頭から食べろ、残す所は無い』・・・これが口癖。
だからいつでも頭から食べ始め、
骨でも内臓でも、全部食べるのが当たり前だった。

私が17歳の時だったか・・・・・「友釣りを教えてやる」と
言われて、どこかの清流に一回、付いて行った事が有った。
川で注意された事は、
ザブザブ移動したり騒がない事、釣り人の傍で釣らない、
おとり鮎を弱らせない事、という基本中の基本を
敢えて言われた・・・・・(チッ、知ってるわ・・・・・)
始めてなんで、仕掛けはやってもらった(恥)

よ~し!釣るぞ~、と意気込んで川の中に膝まで浸かり当りを待つ。
その時は、見たところ4人の釣り人が友をやっていた。
そして、誰も釣れていなかった。
名人の父も全然ダメな様子で時間が過ぎて行った。
と、その時!コッチの竿に当りが来た!!!!!
すぐそれを察知した父が言った「タモにゆっくり引け!」
上手く行った、、、さあと鮎を上げた途端、、、鮎が!、針から外れた!,
空中で鮎が踊りながら陽光に身を輝かせながら!
清流の中に飛び込んで行った。。。。。行ってしまった・・・・・

『あ~~~~っ!!!』大声を上げてしまった
辺りを見ると~釣り人皆が笑って見ていたのだ・・・・・無念!
父が残念そうな顔をしてチラチラ見ていた。
焦って、、、一気に引き上げ過ぎだったようです。

(おとり鮎が「ソレ見た事か!」と私を睨んだ事が思い出されます・・・)

私=『物凄く、大きかった』
父=『・・・・・』(ニヤニヤ苦虫系)       
今ではもうすっかり、家の冷凍庫に、天然鮎の姿は無くなってしまった。。。
たった一度の思い出。        懐かしく恋しい天然の鮎です。




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by karkowitch | 2007-05-25 10:06 | 人間賛歌