暑い日はなるべく読まないでください。


              ある犬の秘密       
         題名 < ☆海は待っていた☆ >


傷を舐め合う友すら無く 負け犬は横たわる

水が飲みたい・・・

喉がヒーヒーくっ付きそうだ

風にそよぐ木漏れ日がその姿を映し出す

もう昼もとうに過ぎた今 その光と影が織り成す揺らめきを

ふわと見ているだけである

水が飲みたい・・・水が飲みたい

グググと低く小さく呻いて目を閉じた 

少しの声を出しても喉がヒリヒリ突っ張り 焼けるように痛い

水が飲みたい 水が飲みたい  水が飲みたい



深い傷を負っている

突然背後から掛かって来た奴の声は忘れもしなかった

実に不覚であった   畜生・・・・・・・・・・・

左耳付け根から血はドクドク流れて止まらない

水が飲みたい

大事な仲間は次々奴に殺られた

有りったけの力で仲間のリベンジとばかり

奴の喉笛に喰らい付き振り回して飛ばした筈だったが・・・

後は覚えていない

ささくれふらふらとここまで来た俺も いよいよお終いか

水が飲みたい


もう少し行きたかった

この少し奥のまで・・・・・・・

もう奴の事なんてどうでも良かった

水が飲みたい

何時もヒリ付いている俺の喉に染み渡る優しさは

一舐めしたら たちまち幸せになれる

あの沢の水が飲みたい・・・・・・・・・・

そこで喉を潤したら・・・

時折走る鮎の姿を見つけるんだ


俺はあれを見るのが好きで堪らない

本当に見とれる程美しくて この世の憂さもすっ飛んじまう

ああ それにしても

水が飲みたい

沢の先の森に入ると白つめ草の絨毯がある

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俺の秘密の楽しみ・・・

あの白つめ草の花の中に鼻を突っ込んで ワシャワシャと匍匐前進で行くのが

何だか嬉しくて楽しくて堪らないんだ

時々 飛蝗や蝶がびっくりして飛んで行ったりして

不思議に・・・・・・安心する


水が飲みたい

水が飲みたい

唐突に天を仰いでアウーッと一声 掠れ切ったありったけの声で遠吼えた


負け犬は随分前に仲間と 一度見た所

そこにもう一度行きたいと不意に思った

夕の色に溶け込み始めた海

一番星が一段と大きく光りだす海

水が飲みたい






次第にまどろみながらその海に向かって静かに歩いて行く自分を見ていた



不思議だ

至上の安らぎの中で もう喉は全く渇いていない






















今日も最後までお付き合い下さりありがとう。読んでて、あなたの喉も渇いちゃった~?(笑)
んじゃ、
良く冷えたお水を一杯どうぞ~^^♪
そしたら一言だけでも置いて行ってケロケロ!!★感謝★

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by karkowitch | 2010-06-28 11:30 | 自作、自詠詩と一句